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日比啓子

本サイトは、ソプラノ日比啓子先生と音楽仲間によるコンサートシリーズ「Wave Concert」のサイトとして開設されました。2020年6月12日、日比啓子先生のご逝去によりWave Concertシリーズを続けてゆくことは叶わなくなってしまいましたが、先生の音楽の軌跡に少しでも触れることができる場「日比啓子メモリアル」として、このサイトを残しておきたいと思います。

山口県下松市出身。福岡女学院高等学在学中に「学生音楽コンクール」で全国第1位となる。東京藝術大学音楽学部を経て大学院(オペラ専攻)を修了。ドイツ政府給費留学生(DAAD)としてシュトゥットガルト音楽大学に学び首席卒業。宮廷歌手シルヴィア・ゲスティ教授の一番弟子となる。リート解釈をコンラート・リヒター教授に師事。エリザベト・シュワルツコップ女史、エルンスト・ヘフリガー教授にも師事。

在学中からハンブルク、ケルン、ミュンヘンなどドイツ各地でコンサートや録音で活動。ルードヴィッヒスブルク城の音楽祭でオペラ『月の世界』やミサ曲のソリストとして出演。シュトゥットガルト、ミュンヘン音楽大学のホールにて、リサイタルを開催し好評を得る。

国際音楽コンクールはスペインのマリア・カナルス国際音楽コンクール最高位、メンデルスゾーン音楽コンクール1位、ミュンヘン国際音楽コンクール3位(1位なし)、ジュネーブ国際音楽コンクール銅賞など多数受賞。ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場ゲルトナープラッツ・テアターにスカウトされ、1978年から1981年までソリストとして専属契約を結び、多数のオペラ・オペレッタの舞台を踏む。

1981年に帰国。帰国後も国内でオペラ(魔笛、フィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、カルメン、シンデレラ、偽りの庭師、魔弾の射手、魂と肉の劇など)、オペレッタ(微笑みの国、天国と地獄、ヴェニスの一夜など)に多数出演。特に『ヘンゼルとグレーテル』のグレーテル役は、ミュンヘン歌劇場デビュー以来10年余り歌い続け、1985年より6年間連続文化庁の公演として全国50箇所以上を縦断し、好評を得た。

そのほか、「第九」「メサイア」「ドイツ・レクイエム」「マーラー交響曲」「天地創造」「クリスマス・オラトリオ」など宗教曲ソリストとしても活躍。また、TV、NHK『名曲アルバム』(みかんの花咲く丘[特選]・夢にきませ)『題名のない音楽会』や放送大学『ドイツ語講座』などに出演。

1982年ニューヨークで行われた国連軍縮会議の閉会式に特別出演。1985年ミュンヘンのバイエルン放送局ホールにて独日協会主催のコンサートに出演。1999年にはライプツィヒのメンデルスゾーン・ハウスの「日曜コンサート」(メンデルスゾーン時代から続いている由緒あるコンサート)に招かれ、ドイツ歌曲のコンサートを開催。2004年にはウィーンの日本大使館にてコンサートを行う。2007,2008年にはウィーンにてゲスティ教授とともに声楽マスタークラス、コンサートを開催。

50回を超えるドイツ・リートを中心とした「日比啓子ソプラノリサイタル」は、日本を代表するリート歌手として常に高い評価を得ている。また一方、ドイツ時代からゲスティ教授に薫陶を得て培ったオペラ、オペレッタ歌手としての才能も花開き、オペラからミュージカル、日本の歌は童謡からポピュラーな曲までレパートリーは幅広く、多彩なプログラムで主催者の要望にこたえ楽しいコンサートを開催。ヒルトンホテル等での「日比啓子パーティー・コンサート」は2019年まで15回を数え、毎回人気を博す。2008年よりノーベル賞物理学賞受賞者のペーター・グリュンベルク教授とともに「物理と音楽」のレクチャー・コンサートをドイツ、スペイン、カナダ、韓国、中国、日本で行う。

CDは『歌の翼に』『ドイツ・ロマンティック歌曲集』『花によせて』『マイ・フェイヴァリット・ソングス』(カメラータ・トウキョウ)をリリース。高い評価を得る。他に『コールユーブンゲン』(フォンテック)。

東京藝術大学講師、国立音楽大学講師、東邦音楽大学総合芸術研究所特任教授、南京郵電大学客員教授(中国)、ドイツ学術交流会(DAAD)友の会常任理事などを務め、後進の育成にも取り組んだ。東京二期会会員。

2020年6月12日骨髄腫のため死去(享年71歳)

                                                             日比啓子(ソプラノ)略歴

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